創業融資の失敗事例【失敗する人の特徴】
日本政策金融公庫などの創業融資は、実際の可決率が30%程度とも言われ、多くの創業者が資金調達の壁に直面しています。なぜ融資が通らなかったのか?
その原因を知ることは、より良い事業計画を作るための第一歩です。本記事では、創業融資の審査に落ちてしまいがちな失敗事例を10個紹介し、それぞれのポイントを解説します。これらを反面教師として活用し、質の高い創業計画を練り上げましょう。
目次
自己資金10%未満では信頼を得られない

自己資金は、創業者が自らリスクを負う意思の表れであり、融資審査で重視されるポイントです。一般的に、融資希望額の約30%を自己資金として用意できていると金融機関から手堅い創業者と評価されます。
逆に自己資金が10%にも満たないようでは計画性を疑われ、どれだけ事業内容が魅力的でも融資審査で不利になります。また、全てを借入で賄おうとすると、事業が軌道に乗るまでに資金ショートに陥る可能性が高く、自己資金が少ない計画は慎重に見られます。
業界経験なしは審査で不利
開業予定の業界で十分な実務経験がないと、融資審査で不利になります。金融機関は過去のデータから、業界経験が長い創業者ほど事業の生存率が高いことを知っており、未経験者には「本当にやっていけるのか?」という不安を感じがちです。
創業計画書には経歴を書く欄がありますが、スペースが限られているため経験をアピールしきれないこともあります。もし業界経験が豊富なら、転職の職務経歴書のように別紙で詳細をまとめて提出することで印象が大きく向上します。逆に経験が乏しい場合は、その弱点を補うための人材確保や研修計画などを示すことが求められるでしょう。
売上見込みに根拠がない計画

売上予測の数字に明確な根拠がない事業計画は、融資担当者に信頼されません。担当者は創業者に計数感覚が備わっているか厳しく見ており、絵空事のような売上見込みや楽観的すぎる数字には「現場を知らないのではないか」と不信感を抱きます。
金融機関は貸付金の確実な返済を第一に考えるため、夢物語の大儲けプランよりも、堅実で実行可能性の高い計画を好みます。売上計画は、統計データや経験に裏打ちされた現実的な数値で示し、第三者が納得できる説明を添えることが必要です。
見せかけの現金(見せ金)は信用を失う
創業融資の自己資金確認では、そのお金が返済不要な「純粋な自己資金」であるかどうか厳しくチェックされます。
一時的に親族から借りて口座残高を水増しするような「見せ金」の行為は絶対にNGです。資金移動の履歴を見れば不自然な入金はすぐ発覚し。見せ金と判断された時点で計画全体の信用を失いかねません。「帳尻合わせ」の資金ではなく、地道に貯めた自己資金だけを示すようにしましょう。
楽観的すぎる5年計画の危うさ

創業計画書には向こう5年間の収支見通しを記載しますが、この計画が楽観的すぎると審査ではマイナスです。根拠もなく売上や利益が年々大幅増加するようなシナリオは、金融機関に実現性を疑われます。融資担当者は「貸したお金を確実に返済できるか」を重視しており、あまりに理想に偏った数値計画では返済の裏付けになりません。
机上の空論と思われれば計画全体の信頼性が下がってしまいます。5年間の目標値は高すぎるものではなく、少し余裕を持った達成可能な数字を設定することが重要です。
経費計画が業界平均とかけ離れている
事業計画の経費見積りが業界標準とかけ離れている場合も、融資審査で不自然に映ります。業界平均を無視した低コスト設定など楽観的すぎる計画だと、現実の厳しさを理解していないと判断されかねません。例えば飲食業の創業計画で「原価率を30%以下」に抑えると謳っても、具体的な施策がないと30%を下回るのは難しい現状があります。
開店当初は廃棄ロスや非効率もあって原価率40%以上・FL比率80%超になるケースも多いのです。このように業界の常識から逸脱した数値を出すと、計画の信頼性が低いとみなされてしまいます。経費や利益率の計画値は、同業種の平均や実態を調べ、それに沿った妥当な設定にすることが重要です。
信憑性や共感を欠く創業動機
創業の動機が曖昧で共感や信憑性を欠いていると、融資担当者に熱意が伝わらず評価が下がります。例えば「儲かりそうだから」「今の仕事が嫌で独立したい」などの安易な理由では、創業への本気度や社会的意義が感じられません。
審査担当者は動機から創業者の情熱や事業継続力、人となりを見ています。共感を得る創業動機を書くには、「なぜこの事業なのか」を示す自身の体験や、解決したい社会的課題、そして事業への強い思いを具体的に語る必要があります。動機に説得力がないままでは、「困難があってもこの人は乗り越えられるのか?」という不安を与え、融資審査でマイナスに働くでしょう。
自分の強みが曖昧ではアピールできない
事業を成功させる上での自分の強みを曖昧にしか説明できないと、融資担当者を納得させることは難しいです。面談で「御社の強みは何ですか?」と聞かれた際に明確な答えが出てこないようでは、準備不足と受け取られかねません。漠然と「人脈があります」「情熱があります」だけでは弱く、具体的なスキルや実績を挙げて自社の優位性を示す必要があります。
自分の強みを客観的に分析し、それを事業計画に盛り込むことで、創業計画書の説得力は格段に高まります。
弱みを分析せず、対策なしではリスク大

自社の弱みやリスクを把握していない、あるいは把握していても何の対策も講じていないような計画では、融資担当者に危機管理能力を疑われます。
どんな事業にも弱点や脅威はあるものです。それを無視して楽観的な計画だけを提示しても、「想定外の事態に対応できないのではないか」という不安を与えてしまいます。逆に、自社の弱みを正直に認識し、補強策やリスクヘッジの方針を示すことで、計画への信頼感は高まります。例えば計画書と一緒にSWOT分析の資料を添付し、弱みとその対策を整理して伝えれば、融資審査での評価向上につながるでしょう。
書類だけでは事業の魅力が伝わらない
日本政策金融公庫の創業計画書など指定フォーマットの書類だけでは、事業の魅力を十分に伝えきれない場合があります。書類の項目や字数には制限があり、熱意や強みを盛り込みたくても書ききれないことも多いでしょう。そのため、別紙資料を用意して事業の詳細や魅力を補足説明する工夫が有効です。
例えば、自身の豊富な業界経験をまとめた経歴資料や、商品・サービスの写真、市場データなどを添付すれば、担当者に計画の現実味や将来性を強く印象付けられます。公庫の書類だけを書いて提出して終わりにするのではなく、プラスアルファの資料で自社の魅力をアピールする姿勢が、融資可決率アップの鍵となります。
まとめ
以上、創業融資が通らない典型的な原因を10項目取り上げました。
なぜ融資が通らなかったのかを振り返り、これらの失敗例を反面教師として計画を見直すことで、融資審査の通過率を高めることができます。
自己資金の準備や業界経験のアピール、数字に裏付けられた現実的な売上予測、弱みへの対策、そして計画書では伝えきれない魅力を補足資料で伝える工夫。その全てが「質の高い創業計画」の要素です。しっかりと練り上げられた計画こそが、金融機関の信頼を勝ち取り、創業融資の扉を開く鍵となるでしょう。
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